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当然、ガソリンや電力料金は上がるが、その総額に見合う分の所得税を減税する。
ノルウェーも同様の課税を検討中で、目下経済的な影響や実施方法などの議論を詰めている。
188万ドル30億円もの大きなプロジェクトになった。
89年から早速、苗木の生産が始まっている。
AESの植林計画には「スタンドプレーだ」、「植林しても地元民が焼き畑にして二酸化炭素を出すだけ」といった批判もあるが、全米で約950社ある電力会社の中でも初めての試みだ。
こうした国際的な規制を先取りする形で対策を取り始めた国や自治体も少なくない。
IPCCなど一連の国際会議で、二酸化炭素の排出規制策は、ニつの流れにしぼられてきた。
一つは、欧州各国で動きが高まっている「排出税」方式。
二酸化炭素の排出量に従って税金をかけ、価格引き上げで化石燃料の消費を減らそうという動きだ。
一方、米国は「排出権」構想を提唱している。
各国別に「温室効果ガス」の排出量の上限を決めて、その量を下回った国は超過した国に「排出権」を譲渡できる。
「排出権」については議論の真っ最中だが、「排出税」はすでに各国で動き出した。
先頭を切っているのは、これまでも環境問題で牽引車の役を果たしてきたスウェーデンだ。
すでに、88年に決定した政府の環境ガイドライン「ニ酸化炭素の排出量はこれ以上増やさない」ことをうたい、その排出の制限を決めた最初の国堤防で囲った広大な干拓地を抱えるオランダは、満潮時には国土の半分が海面下になるだけに、温暖化に伴う海面の上昇には神経を尖らせている。
今の予測では2010年までに二酸化炭素の排出量は5割も増加する。
89年に発足した新内閣は「新エネルギー計画」で、今後4年間にわたって計8パーセントほどを削減して現行水準に抑え込むスケジュールを決めた。
そのために、90年2月から「エネルギー税」をかけ始めた。
また、主要幹線道路で自動車に「通行税」をかけて、通行量と二酸化炭素の抑制を狙う荒療治も検討している。
西ドイツ連邦議会も二酸化炭素抑制のための抜本的政策を検討中だ。
政府は89年9月に発表した「市場経済と環境保全」の報告書で、税制による削減方式を打ち出している。
一方、野党の社民党は「排出税法案」を策定し、税収をエネルギーの効率化や代替エネルギーの開発に向けて「環境再建税」と呼ぶ野心的な提案を示している。
カナダも積極派だ。
「二酸化炭素の10パーセント削減決議」宣言の実現のために、89年8月に各州のエネルギー担当相会議を開催した。
連邦政府は、20パーセントの二酸化炭素削減は1080億ドル(17兆3000億円)の支出が必要だが、これによって得られる利益は1920億ドル(30兆7000億円)にものぼると強気だった。
しかし、技術的には可能でも経済的には無理という意見が大勢を占め、合意できなかった。
政府は削減案の練り直しをしている。
自治体も負けてはいない。
米国では89年の前半だけで、22の州議会に130の温暖化阻止に関連する法案が提出された。
先頭を切ったオレゴン州では1005年までに温室効果ガスを20パーセント減らす法律が89年7月から実施された。
カリフォルニア州南部の自治体は連合して、今後15年以内にガソリン車を追放して公共交通網を整備する構想を練り上げた。
これで、大気汚染の軽減とともに二酸化炭素の排出量を20パーセント削減できるという。
同州議会も、今年9月をめどに包括的な二酸化炭素削減案を通す構えだ。
カナダのトロント市でも、1005年までに二酸化炭素を88年水準の10パーセント削減する法案が通っている。
こうした世界の流れからみると、日本の動きはにぶい。
国際会議の場では、これまでの省エネルギー努力の成果を強調してきたが、ワールドウォッチ研究所の地球温暖化の報告書では、主要な二酸化炭素排出国で抑制に不熱心な国として、ブラジル、中国、ソ連とともに日本の名も挙がっている。
また、89年6月のIPCCのナイロビ会合では、日本は名指しで、温室ガス対策に後ろ向きだと批判されている。
1987年10月5日、オーストラリア東南端沖に浮かぶタスマニア島はパニックに見舞われた。
病院の電話は鳴りっぱなしになり、住民は家にこもったまま外出しなくなった。
10月に入って、刻々と大きくなってきた南極上空のオゾンホールに、ついに島が飲み込まれたのだ。
ホバートに設置されたドプソン分光光度計は、成層圏のオゾン層が正常の25パーセント以上も少なくなってきたことを示していた。
それにつれて紫外線量も急上昇してきた。
次いで、オーストラリア本土の南部一帯にもオゾンホールが拡大してきた。
新聞やテレビは連日、日光浴に注意するよう呼びかけた。
町のあちこちに「太陽は友だちではない」と、紫外線を警告するポスターが貼り出された。
南半球の春を迎えて日光浴を始めた人もまた家に引っ込み、海岸はひっそりと静まり返った。
外出する人も、大きな帽子をかぶったり肌をさらさないように注意するなど、日光の恐怖に脅える毎日となった。
病院には、がんではないかと心配になった人々が押し寄せた。
8月23日には高緯度側で一酸化塩素濃度が異常に高いにもかかわらず,オゾンの減り方はまだ小さい。
実際このときは,まだオゾンホールは形成されていない。
9月16日には,高緯度側でオゾン濃度が著しく下がっており,発達したオゾンホールの存在を示している。
CIO濃度はオゾン濃度とは逆相関になっていることがわかる。
中でもとくに肌が白くて即青い目で赤毛のケルト系はかかりやすいことが知られている。
皮層のメラニン色素の多い黒色人種は、紫外線をより多く吸収して散乱させ、皮層の奥深くへの侵入を防いでいる。
白色人種ではこの色素が少ないために、紫外線が真皮まで入り込んで遺伝子(DNA)を傷つけ、無秩序に細胞分裂を起こすがん細胞となるのだ。
それも子供ほど影響を受けやすく、オーストラリアへの白人移住者の中で子供の皮層がんの発生率が際立って高い。
オーストラリアに白人が移住してきたのは200年前になる。
彼らは、遺伝的には日光の少ないところに適応していた人々だったが、日照量の多い場所に住むことになり、おまけに戸外スポーツや日光浴を好む「伝統」は変えなかったために、こんな悲劇が起きたのだ。
皮層がん患者はこれまでほとんど白人に限られ、チョコレート色の肌をした先住民のアボリジンには、まったくといってよいほど患者が見つかっていなかった。
ところが、最近になって続々と皮層がん患者や白内障の患者が見つかっている。
彼らが野外で生活していたときには、日中は強い日差しを避けて日陰で休んでいたのが、白人社会に組み込まれるにつれて、農場や牧場の雇い人として日中でも働かねばならなくなり、これにつれて皮層がんも増えてきたのだ。
果たして、最近のオゾン層破壊による紫外線の増加が、この皮層がん多発に関係しているのだろうか。
オーストラリアでは大論争が起きている。
疫学的にみて子供に増えてきているのは、紫外線が増加しているためだという説がある一方で、紫外線の透過量が目立ってきたのは80年代半ば以後で、がんの潜伏期を考えると今のところは関係が薄いとみる専門家も少なくない。
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